大人は大人になるたびに、罪との距離を近づける。
   子供の頃よりもずっと鮮明に、
   罪を犯す自分が想像できるようになる。


 
 

   人の罪は、次の誰かの罪に繋がるのだという。
   けれど罪ではないものが、罪を生むこともある。
   この世はいつか罪で満たされてしまうのだろうか。
   もし人を罪に駆り立てる、悪い神様の風が吹くなら。

   憎むはずではない人さえも、憎んでしまうかもしれない。

 

   京都の南。
   人気のない、伏見の霊山の森。
   
   い鳥居が、千本並ぶその下で。

 
 

   宇佐見蓮子を。
 
 

   殺して、しまいそうになる。
  



 
 

   大人は大人になるたびに、罪との距離を縮めていく。
   誰もが皆、知らず知らずのうちに。

   人を憎むことなんて、最初は知らなかったはずなのに。

   好きと思える人だけ、ただ探していたはずだったのに。
 
 
 

   伏見の森の奥深く。
   人影見えぬ赤い闇。
   千本鳥居をくぐり抜け。

   風に混じった おしろいの
   仄かな香りに 誘われて。


   人と獣の、境界へ。

 
 







伏見稲荷奇譚
御狐様之遊戯




     
奇々怪々少女倶楽部之白粧







京都伏見 短編キネマトグラフ・ノベル


【稲荷神楽】





・・・【CAST】・・・

小説・イラスト・写真・ページデザイン

反魂



・・・【INFO】・・・

版型
A5 24頁


頒布スペース
2月20日
京都市勧業館みやこめっせ
科学世紀のカフェテラス/求代目の紅茶会にて
求-16 「しばらくは反魂。」
 秘-31 「ほりごたつ」(委託)


頒布価格
500円
(予定)



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