【藤の華】

 誰しも同じなのかもしれない。
 永すぎる生の中で、滝壺のない滝に時を突き落とす方法を、私達は探し続けている。
「かぐや」
「うん?」
「――させてあげようか」
「は?」
 痛烈な悪戯心が、自分の中に芽生えるのを感じた。それは現実から逸脱してこの古寺へ来た目的とも合致する。爽快な発案だった。現実を捨てるなら、いっそ捨てきろうと思った。
「……ずいぶんと積極的ね」
「そういうのとは違う……」
 瞬間、輝夜の指がすうっと伸びてきた。
「……んっ」
 くい、と、細い指が早速に私の頬を這う。最初からその気があったのだろうか、と思わせる動き出しの早さに、私は思わず身を固くした。私の頬を愛らしそうになぞった白魚の指は、やがて首筋から胸元へとゆっくり伝ってゆく。
 その指が私には、この凝り固まった日常を食べ荒らしに来た蛆に見えた。永遠の命を授かり、藤のように美しく寺のように整然と降り敷いた奇麗な日常を、饐えた酸で侵食してくる白い細い蛆。
 私は永遠を生きる内に、いつしか刺激が欲しくて欲しくて堪らない心身になっていた。自分の中で、むくむくとそれが性欲に変わるのを感じる。寺社の前で、それがいかほどに倒錯した行動かとは分かっている。




 和えろ。
 あえろ、じゃなくて「わエロ」です。
 だから何なんだ。だって「あえろ」じゃサラダじゃねぇかよ。

 やはり年齢制限の関係で、こちらには掲載しません。
 とりあえずこんな作品も存在してますよ、というだけ。 
(初出:2009年6月12日 第五回東方ねちょSSこんぺ 順位不詳)
※18禁作品です。どこかでこの作品を見つけてしまった貴方がまだ18歳未満の場合は、どうか読まないで下さいね